こんにちわ「カードローンのいろは」管理人の友美です。
ここでは、消費者金融の業界で働いていた元従業員が消費者金融の仕事について解説します。
消費者金融業を営む企業は、コンプライアンスの徹底がなされているため、世間一般の持つイメージよりも厳格な企業ばかりです。
とは言え、消費者金融に就職・転職を考えているあなたは、やはり本当に大丈夫なのか不安ですよね。
そこでこのページでは、実際に消費者金融で働いていたライターが、大手消費者金融で働いていた当時の社員の1日の仕事内容を紹介します。
消費者金融の業務(準備)
消費者金融の業務は、1日殆ど気を抜けません。
お金に関しては少しのミスも許されず、個人情報の取扱いは一歩間違えば裁判沙汰にまで発展します。
出社
出社は早すぎてもいけない
営業時間は9時のところが多く、それに合わせて8時半までには出社します。
早すぎても、サービス残業禁止の観点から業務に関しては一切禁止です。
仕事が溜まっているからと、早く業務を始めると上司から叱責を受けます。
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私語は慎む
支店に入るのは警備を解除して、鍵が無いと入れません。
担当者が来るまでは外で待ちますが、防犯カメラがあるため、挨拶以外は私語は慎みます。
服装にも気を配る
男性はスーツですが、女性は社内で制服に着替えるため、ある程度節度を持った格好で出社します。
特に女性が支店長の場合は、かなり細かくチェックされます。
8時半から出社となるため、タイムカード代わりに自分のパソコンを立ち上げます。
掃除
大抵は支店とATM、無人契約機はセットになっています。パンフレット補充までします。
無人契約機は、ある程度社歴が無いと、掃除すらできません。
支店内は支店長が掃除チェックをして、汚いと叱責を受けます。
支店長にもよりますが、お客様が来店する来店窓口はもちろん、自分達のデスクや電話機、雑巾のかけ方や掃除道具の扱い方まで厳しくチェックされます。
朝礼
朝礼は、大きな声で挨拶の復唱、社訓の読み上げ、個人目標等の発表をします。
社員は社訓は暗記が義務化され、入社とともに覚えます。
現金チェック、ATM精査
オンライン取引になっても、カードなしの急な来店や、急な消耗品の買出し等があるため、店頭にいくらかの現金は必要なのです。
裁判所や弁護士との書類のやり取りもあり、切手や印紙、手形等も使います。
そのため、朝夕で現金チェックをしっかりと行います。
ATMの金額チェックも行い、詰まったお金をとり出したり、多く入りすぎた場合は抜き出して銀行へ預けたりします。
更に、オンライン残高と通帳の残高チェックをします。
消費者金融の業務(営業中)
営業開始
9時になると電話回線が繋がるため、一般番号やフリーダイヤルがバンバンかかってきます。
支店によっては営業と回収で担当者分けをしていますが、まず鳴った電話は3コール以内が鉄則です。
裁ききれない場合は折り返しにして、どうしても間に合わなければ上司に振り分けてもらいます。
回収業務
年収の3分の1以上の貸付が出来なくなった、2010年の総量規制に向けて、かなり前から営業よりも回収で利益を保つ方針になりました。
回収担当はとことん電話をかけますが、連絡して良い時間も回数も決まっているため必死です。
しかも本社の監査もあるため、ボイスレコーダーもついていて、口調にも気を使います。
営業業務
営業担当は主に女性で、前日の夜中のネット申込みや24時間受付分のコールセンターからのFAXを整理します。
新規貸付は何件、増額、再度貸付は何件で、そのうちのどのくらいが貸付に繋がるかを上司に報告します。
信用情報機関の問合せ及び登録についての了承が取れていれば、振り分けをするため先に信用情報機関に問合せて内容をチェックします。
融資に繋がらなくても、断りの連絡は絶対なので、何時何分にどこに連絡をして断ったか等を細かく記載し、支店長へ報告します。
利用受付
新規貸付
申込があると、まず信用情報機関への問合せと登録についての説明や、個人情報保護法について説明します。
ここで了承が得られてから、受付開始です。
信用情報機関への問い合わせ
氏名、生年月日、電話番号等で信用情報機関に問い合わせをします。
そこで他社の借り入れ件数や金額、事故情報等が分かるので、引続き受付をするか、終了かが判明します。
受け付け内容の確認
引続きの場合は、本人確認書類の確認、保険証種類や勤務先内容、年収、居住形態、他社の借り入れ、使い途等を詳しく受付します(この時点でスコアリングの金額は大体出ます)。
最後に、在籍確認の了承を得ます。
在籍確認と契約手続き
次に信用情報やホームページ、電話帳情報を確認し、勤務先の電話番号が実在するかを確認してから在籍を取ります。
最終的には支店長クラスの決裁になり、報告してOKが取れ次第契約をします。
契約は電話で契約後書類のやり取りを郵送、窓口、無人契約機でします。
本人口座へ振り込むか、カード発行後ATMからの利用になります。
在籍確認についての詳細はコチラからチェック。
⇒ 「在籍確認とは?方法は電話?タイミングいつ?」を解説
増額、再度貸付
申込連絡後に信用情報機関の問い合わせ、登録の了承が得られた後に、信用情報をチェックし規定内であるか、登録に変更はないか、在籍は取れるか、取引で支払いに遅れや不足がないかをチェック後、支店長に決裁してもらいます。
このときに変更情報は逐一チェックされます。
決して借入に繋がらなくても変更事項の確認は必須です。
書類関係
到着書類の整理
書類はかなり沢山来ます。
主に裁判所や弁護士事務所からで、これらが介入すると、即督促禁止になるため神経を使います。
待っていた書類は担当者宛に来るので、急を要するものは都度チェックします。
新規受付やカード再発行等の書類、督促状の作成
営業担当者は、新規貸付分の書類の作成、カード再発行の手続きや、パンフレット送付などの書類の作成をして、回収担当者は督促状の作成をします。
かなり大量なので、月末などは皆で回収の電話をかけながら窓開封筒に入れる作業をします。
ここでもし、2枚が重なって他人の分まで一緒に郵送されたりすると大問題になるので、ここでもかなり神経を使います。
雑務
文具等の消耗品は経費削減のため、決まった業者で一気に購入しますが、急に必要になった物は購入しに行きます。
現金を持ち歩く場合、必ず男性を含んだ2名以上で行動します。
更に銀行からのオンライン入金などで、同姓同名や支店違いで処理出来ない入金処理を、2名で確認しながら行います。
月末などは皆で回収の電話をします。
消費者金融の業務(営業終了後)
締め作業
窓口終了作業です。
1円の狂いも許されないオンライン残高と通帳残高チェックを行い、最終の入金処理をします。
店頭の現金チェック、経理処理をしたら、内容をプリントアウトして支店長のチェックをしてもらいます。
合わないと帰れません。
残業
主に回収連絡ですが、残業は支店長の承認が無いと出来ません。
雑務処理による残業はまず許されません。
帰宅準備
残業しない人は6時に退社処理をするために、ゴミをまとめたり、個人情報保護法の観点から、走り書きのメモ用紙まで不要の用紙はすべてシュレッダーにかけます。
全て終了したら、支店長に報告します。
残業する人もいるので、「お先に失礼します!」の挨拶をします。
消費者金融の昔と今
昔はノルマもあった
厳しい取立てが問題になり、総量規制という話が出てくる前は、主に営業として電話勧誘をひたすらしました。
貸して貸しての方針でノルマもあり、上司は絶対、仕事中もタバコを吸いながらが殆どでした。
そんな中でも規律はかなり厳しく、言葉使いや身の回りの整理整頓はかなり厳しいものでした。
今は研修や試験も
言葉使いや立ち居振舞いを綺麗にするべきとビジネスマナー研修を行ったり、貸金業の国家資格取得、コンプライアンスや個人情報保護法の勉強と試験があったりします。
都度変わる会社の規定やマニュアル暗記は絶対で、本社から電話で抜き打ちでチェックされます。
特に書類の間違いは、個人情報の観点からかなり厳しくなっていて、郵送物やFAXは常に2名で確認し、間違えれば始末書です。
身だしなみの徹底は厳しく、女性はほぼ黒髪となっています。
まとめ
消費者金融というと「サラ金ね・・・」と、タバコを吸いながらお金を貸したり、酷い言葉で取り立てたりするようなマイナスなイメージです。
ですが、そんな会社もあれば、軍隊のように規律を守る厳しい会社もあります。
会社によって、仕事内容はかなり差があります。
そして、時代と共にかなり様子も変わってきているのです。
この記事を書いた人
大学を卒業後、新卒で大手消費者金融に就職。
金融の知識が全く無いところからスタートし、7年間勤務。支店長の補佐的な役割までこなすようになりました。
業界もかなり変わってきた時に、大手の傘下に入ることになり早期退職優遇制度を利用しました。
今では一児の母として育児に悪戦苦闘しています。