こんにちわ「カードローンのいろは」管理人の良太です。
カードローンの返済方式とは、借りたお金の返済額を決めるルールのことです。
今回は代表的な「残高スライド元利定額リボルビング方式」と「借入後残高スライド元利定率リボルビング方式」を中心に説明していきます。
あなたに合ったカードローンの返済方式は?
現在の金銭事情で決める
カードローンの返済方式は「余裕がある場合」「余裕がない場合」で選び方を変えると良いでしょう。
余裕がある場合 | 残高スライド元利定額リボルビング方式を選び、繰り上げ返済をする |
余裕がない場合 | 借入時残高スライド元利定額リボルビング方式を利用して、毎月コツコツ返す |
追加で借り入れをする可能性がある場合 | 借入時残高スライド元利定額リボルビング方式を選ぶ |
「リボルビング方式」とは
カードローン返済の主な返済方式である「残高スライド元利定額リボルビング方式」と「借入後残高スライド元利定率リボルビング方式」は、ウィキペディアによると以下のように解説されています。
毎月、〆日における借入残高を確定し借入残高に応じて段階的に返済定額(ミニマムペイメント)または定率を変更する方式(スライド制)の総称。
残高スライド方式は大別して残高スライド定額方式と残高スライド定率方式に分かれ、それぞれが更に元利均等方式および元金均等方式に分類される。
引用元:リボルビング払い
こちらをイメージしながら読み進めていただくと理解しやすいと思います。
カードローンの返済方式は主に2つ
カードローンの返済方式は主に「残高スライド元利定額リボルビング方式」と「借入後残高スライド元利定率リボルビング方式」の2つです。
両者に共通する「リボルビング方式」とは「ルール通りに一定の金額を返済する方式」を意味します。
均等返済方式とリボルビング方式では「最初から最後まで決まっている(均等返済方式)」のと「途中で変動する(リボルビング方式)」という点が違います。
分割して払うという点は銀行融資の元金均等返済、元利均等返済など均等返済方式といわれるものと似ています。
1.残高スライド元利定額リボルビング方式
残高スライドとは「残高に比例して大きければ大きく、小さければ小さく返済額が変わる(スライドする)」ことを指します。
つまり「残高スライド元利定額リボルビング方式」とは、残高に応じて元利定額がスライドするという意味です。
なお「元利定額」と「元利均等」は同じ意味となります。
残高に応じて返済額が決まる
元利(元金と利息)の定額(合計のこと)は残高が変われば当然変わります。
例えば借入残高が100万円未満は毎月返済1万円、300万円までなら毎月3万円、500万円以上は毎月5万円、といった具合に残高の大きさに応じて返済額が決まるということです。
返済額は上記のように定額(1万円、3万円)で、元金と利息を組み合わせて返済していきますので「元利定額」、そして残高の大小で毎月返済が決まるので「残高スライド元利定額リボルビング方式」となります。
銀行系カードローンに多い返済方式
銀行系カードローンはこの「残高スライド元利定額リボルビング方式」が多く、銀行らしいというべきか「借入残高が減っていけば毎月の返済も減ります」というのがセールスポイントにもなっています。
言い換えれば借りたらあとは返すだけ、繰り返し借りないという前提のため「必要なお金は借りるけれど、なるべく早く返したい」という人に向いていると言えます。
主な金融機関
⇒ イオン銀行カードローン
⇒ 楽天銀行スーパーローン
2.借入時残高スライド元利定額リボルビング方式
こちらは「残高スライド元利定額リボルビング方式」に「借入時」という単語が加わっています。
借入時とは「最後に借りた残高」という意味で「借入後」と表現する場合もあり、こちらの方がイメージしやすいのではないでしょうか。
例えば借入残高が100万円未満で毎月の返済が定額1万円だった人が、追加で借入して残高が300万円になると、次回の返済定額が3万円になるといった具合です。
追加借入を考える時は、次回の返済がいくらになるか?もしっかり確認しなければいけません。
こちらは消費者金融系のカードローンが多く採用している返済方式で、繰り返しの利用、つまり借りたり返したりが必要な人に向いていると言えます。
2つの均等返済方式の用語解説
均等返済方式は銀行融資で使われています。
均等とは「同じ、変わらない」とイメージしてください。
2つの均等返済に違いはありますが、共通しているのは「最初から最後まで返済額が決まっている」という点です。
元金均等、元利均等とも最初に返済額が決まり、以後最後まで変わることはありません。
追加融資を受けて残高が増えたり、逆に繰り上げ返済をしたりしないかぎり、最初に決まった返済額は最後まで変わらないのです。
1.元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)方式
事業資金融資で使われる
事業資金融資で良く使われるのが元金均等返済方式で、元金が変わらない方式のことです。
60万円を5年返済する場合、毎月の元金(がんきん)は1万円、これに一ヶ月分の利息を足したものが毎月の返済額になります。
元金均等では元金だけが変わらず(均等)、借入残高が減ると利息も減るので返済額は最初のうち大きく、そのあとは毎月減っていきます。
元金均等返済のメリットとデメリット
元金均等返済のメリットとデメリットには、次のようなものがあります。
●メリット
- 返済が進むにつれ、返済額が減っていく。
- 元利均等返済に比べ、元金の減りが早いので、返済期間が同じ場合、返済総額が低くなる。
元金均等返済のデメリットは、元利均等返済に比べ、返済当初の返済額が高く、始めのうちは負担が大きくなることです。
元金均等返済の特徴を簡単に言うなら「最初が大変で、次第に楽になっていく」ということですね。
元金均等返済シミュレーション
元金均等返済のシミュレーションをしてみましょう。
30万円を借入れて、年率18%で24ヶ月(2年)で返済をする時の、毎月の返済額を算出しました。
●表は横にスクロールできます。
返済回数 | 毎月の返済額 | 元金分 | 利息分 | 借入残高 |
1 | 17,000 | 12,500 | 4,500 | 287,500 |
2 | 16,812 | 12,500 | 4,312 | 275,000 |
3 | 16,625 | 12,500 | 4,125 | 262,500 |
4 | 16,437 | 12,500 | 3,937 | 250,000 |
5 | 16,250 | 12,500 | 3,750 | 237,500 |
6 | 16,062 | 12,500 | 3,562 | 225,000 |
7 | 15,875 | 12,500 | 3,375 | 212,500 |
8 | 15,687 | 11,628 | 3,187 | 200,00 |
9 | 15,500 | 12,500 | 3,000 | 187,500 |
10 | 15,312 | 12,500 | 2,812 | 175,000 |
11 | 15,125 | 12,500 | 2,625 | 162,500 |
12 | 14,937 | 12,500 | 2,437 | 150,000 |
13 | 14,750 | 12,500 | 2,250 | 137,500 |
14 | 14,562 | 12,500 | 2,062 | 125,000 |
15 | 14,375 | 12,500 | 1,875 | 112,500 |
16 | 14,187 | 12,500 | 1,687 | 100,000 |
17 | 14,000 | 12,500 | 1,500 | 87,500 |
18 | 13,812 | 12,500 | 1,312 | 75,000 |
19 | 13,625 | 12,500 | 1,125 | 62,500 |
20 | 13,437 | 12,500 | 937 | 50,000 |
21 | 13,250 | 12,500 | 750 | 37,500 |
22 | 13,062 | 12,500 | 562 | 25,000 |
23 | 12,875 | 12,500 | 375 | 12,500 |
24 | 12,687 | 12,500 | 187 | 0 |
返済回数 | 返済総額 | 元金分 | 利息分 | ------ |
24 | 356,244 | 300,000 | 56,244 | ------- |
【端数切り捨て】
利息分が56,244円となり、借入額の30万円に対し、返済総額が356,244円になります。
2.元利均等返済(がんりきんとうへんさい)方式
住宅ローンや自動車ローンに用いられる
元利均等返済とは、毎月一定の返済額で返済をしていく方法で、元利が変わらない方式のことです。
元利(がんり)とは元金と利息を足したものという意味で、こちらは毎月の返済額が一定(変わらない)になるよう最初に計算をして、元金と利息を組み合わせます。
60万円を利息3%で5年返済すると、元利均等の毎月返済額は10,781円(内訳は元金9,281円+利息1,500円)です。
2ヵ月目も返済額は変わらず10,781円ですが、内訳は(元金9,304円+利息1,477円)となり、元金が増えて利息が減ったことがわかります。
主に住宅ローンや自動車ローンなど、銀行でローンと呼ばれる融資の返済に用いられており、住宅ローンのように借入が1,000万円を超えると「最初の頃は利息ばかり払っている」状態になります。
元利均等返済のメリットとデメリット
元利均等返済のメリットとデメリットには、次のようなものがあります。
●メリット
- 一定の返済額なので長期の返済計画が立てやすい。
- 元金均等返済に比べ、最初のうちは返済額が少ない。
●デメリット
- 最初のうちは返済額の利息部分が多いので、元本がなかなか減らない。
- 元金均等返済に比べ、返済期間が長くなりやすく、返済総額も増える。
毎月の返済額が一定なので返済プランは立てやすいですが、返済総額が増えてしまうため一長一短です。
元利均等返済シミュレーション
元利均等返済のシミュレーションをしてみましょう。
30万円を借入れて、年率18%で24ヶ月(2年)で返済をする時の、毎月の返済額を算出しました。
●表は横にスクロールできます。
返済回数 | 毎月の返済額 | 元金分 | 利息分 | 借入残高 |
1 | 14,977 | 10,477 | 4,500 | 289,523 |
2 | 14,977 | 10,635 | 4,342 | 278,888 |
3 | 14,977 | 10,794 | 4,183 | 268,094 |
4 | 14,977 | 10,956 | 4,021 | 257,138 |
5 | 14,977 | 11,120 | 3,857 | 246,018 |
6 | 14,977 | 11,287 | 3,690 | 234,731 |
7 | 14,977 | 11,457 | 3,520 | 223,274 |
8 | 14,977 | 11,628 | 3,349 | 211,646 |
9 | 14,977 | 11,803 | 3,174 | 199,843 |
10 | 14,977 | 11,980 | 2,997 | 187,863 |
11 | 14,977 | 12,160 | 2,817 | 175,703 |
12 | 14,977 | 12,342 | 2,635 | 163,361 |
13 | 14,977 | 12,527 | 2,450 | 150,834 |
14 | 14,977 | 12,715 | 2,262 | 138,119 |
15 | 14,977 | 12,906 | 2,071 | 125,213 |
16 | 14,977 | 13,099 | 1,878 | 112,114 |
17 | 14,977 | 13,296 | 1,681 | 98,818 |
18 | 14,977 | 13,698 | 1,482 | 85,323 |
19 | 14,977 | 13,495 | 1,279 | 71,625 |
20 | 14,977 | 13,903 | 1,074 | 57,722 |
21 | 14,977 | 14,112 | 865 | 43,610 |
22 | 14,977 | 14,323 | 654 | 29,287 |
23 | 14,977 | 14,538 | 439 | 14,749 |
24 | 14,970 | 14,749 | 221 | 0 |
返済回数 | 返済総額 | 元金分 | 利息分 | ------ |
24 | 359,441 | 300,000 | 59,441 | ------- |
【端数切り捨て】
利息分が59,441円となり、借入額の30万円に対し、返済総額が359,441円になります。
計算式は複雑なので省略しますが、他の返済プランで試したい方は以下のサイトでご確認ください。
リボルビング方式の特徴
リボルビング方式は、均等返済方式のように返済回数を決めず、借入の残高全体について毎月返済していくというイメージです。
「途中で変動する」のが特徴で、その理由は追加融資と繰り上げ返済にあります。
追加融資・繰り上げ返済が可能
カードローンでは、一度借入したあとまた続けて借入したり(追加融資)、逆に余裕があれば追加で返済したり(繰り上げ返済)できます。
借入と返済が限度内なら自由、というのがカードローンと他の借入(事業資金、住宅ローン)で最も違うところです。
言い換えれば借入残高が一定でなく変動するということで、これがリボルビング方式最大の特徴であり、つまりカードローンの特徴でもあります。
リボルビング方式の問題点
リボルビング払いには問題点もいくつかありますが、カードローンを利用した人なら実感として理解できることだと思います。
例えば、
- 毎月の返済額は変わらないので、借入を繰り返して残高が増えても、借金が増えていると実感できない(気づかない)人がいる
- 毎月の返済額が変わらないので、どのくらい利息負担があるのかわからなくなる
- 借入残高が増えるとその分借金完済が遠のき、利息負担はどんどん大きくなる
といった点です。
リボルビング方式では毎月返済額をできる限り少なくして、無理のない返済ができるというメリットがありますが、それがデメリットにもなっているのです。
この「できる限り少なくした毎月返済額」のことをミニマムペイメントといい、「最少返済額」といわれることもあります。
このミニマムペイメントを決める方法の違いから、カードローン返済方式にはいくつもの種類があるのです。
一括返済・繰り上げ返済がお得
「残高スライド元利定額リボルビング方式」「借入時残高スライド元利定額リボルビング方式」の2つには、どちらが得か損か?といった違いはありません。
次回の返済額がどうやって決まるのか?という違いがあるだけで、借入が続き残高が大きければ多いほど利息負担は大きくなり、返し終わるのはどんどん先になってしまいます。
早く完済するには、一括返済・繰り上げ返済を行うことが有効です。
一括返済がベスト
また、一括返済と繰り上げ返済とどちらが得か?というと、一括返済のほうがお得だといえます。
一括返済で返してしまえば、それ以上利息を支払う必要がないからです。
繰り上げ返済には「また借りたくなる」誘惑も
もちろん繰り上げ返済も有効ですが、繰り上げ返済によって利用可能残高(空きワク)が増えるとついもう一度借りたくなりますし、実際誘惑に勝てなかった人は多くいます。
繰り上げ返済できそうなときは、返したつもりで手許に取っておきましょう。
そうすれば蓄えたお金で一括返済ができ、もし「お金が必要」になっても追加借り入れせずにそのお金が使えます。
⇒ カードローンの上手な返済方法|一括返済など損をしないためのポイント5つ
まとめ
カードローンの代表的な返済方式は「残高スライド元利定額リボルビング方式」と「借入後残高スライド元利定率リボルビング方式」の2種類です。
これらに損得の差はなく、早く返すには繰り上げ返済や一括返済を積極的に行う必要があります。
最後にお伝えしたいのは「ミニマムペイメント」は「最小」ではなく「最低限支払うべき返済」だと言うことです。
毎月の返済額を抑えて無理なく返済できる一方、借入が減らない限り返済はいつまでも終わらないということを忘れないでください。
やはり「ご利用は計画的に」が大事だと思います。